秘密の時間



言われるがまま彼の隣に座ると、空のグラスにお冷やを注いでくれる。


「なんか、沢山呑まされたみたいだね。

はい、お水」

「い…頂きます」


恩田さんの手から受け取ったコップにゆっくりとくちをつける。



冷たい水は火照った体内をすうっと通り抜けていき、少しだけ気分もスッキリする。



そんな私をニッコリ余裕そうな顔で見ている恩田さんは、前回の事など忘れてるみたいで何となくほっとした。



「そういえば、何か飲む?それとも少し食べる?」




細やかな気遣いに圧倒されながらも、彼の施す気配りに十二分に甘えている私が居た。




お腹も満たされお酒も呑んだので、いい加減眠くなってくる。



ガヤガヤと煩い雑音もうつらうつら遠ざかって行く。


「もうそろそろ、お開きにするか!」



部長の一声で再びガヤガヤと煩くなる。



「美優ちゃんはどうする?二次会…」


「私は…」



もう眠いから帰りたい。


そう恩田さんに伝えたかったのに、急に手を引かれ彼は立ち上がる。



「気分悪いなら、外出ようか」

「……」