「美優、どうした?そんな顔して」
頭を撫でていた指先が膨らんだ頬に微かに触れる。
そんな彼の表情や台詞に、私は恥ずかしくなって顔の半分をお布団で隠した。
「……子供扱い」
「ん?」
「また、子供扱いしてる……」
私はそう言うとお布団を頭から被った。
ーーなに、言っちゃってるんだろ?私。
こんな台詞言いたい訳じゃあないのに、ちゃんと私の気持ちを彼に伝えようと思っていたのに。
あまりにも天の邪鬼な自分に悲しくなる。
もっと素直に彼に気持ちを伝えなくては、もしかしたら、本当に愛想つかれてしまう。
「美優……」
けど、私の思いと反して私に降り注ぐ彼の声色はなんだかとっても優しくて、だから余計に自分のとった行動が嫌になる。
子供なんだ。と実感してしまう。
「美優、顔を見せて」
布団を握り締めている私の手をゆっくりと優しく包み込んで、私から布団をはぎ取る。
私はそれに素直に従い、巧さんの顔をマジマジと見詰めた。
「美優、俺は美優の事、子供だなんて思った事は一度もないよ。
子供だなんて思ってたら、美優に触れることは出来ないだろ?」


