上目使いで見詰めると、困った顔の巧さんが私が横になっているベッドの淵に腰をかける。
そして、私に寄り添う様に横になる。
「もしかして、不安になった?」
「……え?」
「さっきの話し。
ごめん。でも、美優には俺の全てを受け止めて貰いたいから。
俺は完璧な人間じゃあない。普通に情けない男なんだよ。
でも、情けない男なりに俺は美優を守りたいんだ。
美優、こんな俺だけど嫌いにならないか?」
優しい語り口な巧さんに、私は少しだけマスターのは言っていた『本気』の意味が分かった気がする。
巧さんは私に全てを見せてくれたんだ。
強い自分も弱い自分も。
でももしかしたら、今私は巧さんに試されてる?
けど、私を見詰める眼差しにそんな不純な気持ちがあるとは思えない。
じゃあ、なぜ?なぜ巧さんは……。
突然ギュッと彼に抱き締められる。
そのせいか、私の思考はいつの間にか吹っ飛んだ。
ただ、いつもより力の込められた腕の中で私は彼の弱さを見た気がした。


