彼の本気ってどんな意味なんだろ？
そういえば、私は彼に私自身の『本気』を見せた事はあるのだろうか！？
彼を目の前にして、私はマスターの言葉を思い返していた。
「美優？どうかしたか？？」
「えっ？」
「美優からこんな風に手を伸ばしてくるなんて、珍しいから」
「……」
巧さんがマスターには聞こえないぐらいの声のボリュームで私に話し掛け、そしてその手に触れる
私は思い掛けず大胆な行動を取っていた事に自分自身驚いていた。
「……美優」
いつもより切ない巧さんの声。
その声が私の胸をギュッと締め付ける。
どうやったら、彼に私の本気を見せられるのだろうか？
私の『本気』って、一体何なんだろう？
