秘密の時間




「美優、どうした?早くおいで」



少し先を行く巧さんが、まだ立ち止まったまま動かない私に向かって声を掛ける。



私はその声に無意識に促され彼の後に続く。




そして私が彼の元に近付くと、彼は自然と私の手を引き寄せ、ギュッと力強く握り締めた。




ーーやっぱり、何かあるのかな?



そんな予感がしてならない。



けどそれが何の事だかさっぱり分からない。





暫く歩くと彼は立ち止まった。



そしてしゃがみ込み、持って来たコンビニ袋の中からジュースやらお菓子やらを道端に並べる。





えっ?なぜ??




私には理解出来ない彼の行動。



けど彼がそれらを置いた後、手を合わせたので何となく分かってしまった。




ここで誰かが亡くなったんだ。




でも、誰だろ?

私にも関係ある人なの??