秘密の時間




翌日。



目覚めるといつも感じる暖かな温もりがそこにはなかった。



目を擦りながらベッドの中から起き上がる。



目覚まし替わりの携帯を見ればまだ七時を過ぎたばかりで。




なんとなくふらふらと起き上がり、リビングに向かった。



「おはよ」



リビングの扉を開け、真っ先に飛び込んで来たのは巧さんの声。



私も「……おはよ」と返事を返すと巧さんは座っていたソファーから立ち上がりキッチンへ。



すでに部屋の中はコーヒーの薫りが充満していた。



「今日は、早いですね」


「ああ、色々とね」



立ち尽くす私をソファーに促し、キッチンから戻って来た彼。



テーブルにマグカップをことりと置いて、私にそこへ座るように促した。