秘密の時間




けど、大概はそんな願いは虚しく叶わないまま終わる。



彼が帰って来るまでの数時間、私は彼の為に食事の用意をしたり、ほんの少し散らばった雑誌や新聞を整えたり。



元々きれい好きなこの部屋の持ち主。



私がしなきゃあいけない事なんてあまりない。



だからいつも、時間ばかりが有り余り、私は要らぬ事を考えてしまう。




広い部屋の中、ぽっんとひとりぼっち。



テレビを着ければそれなりに部屋は賑やかになるけど、私の気持ちはそれとは反比例するように落ち込んでいく。



待つのって、意外と大変なのかもしれない。




けど、だからってわがままも言えない。



私だって、きっと散々彼を待たしてしまったから……。



それにここには私の知らない部長と元奥さんの思い出があると思うとなおさらやりきれない。