ゆっくりと近付いてくる彼の顔を慌てて目を閉じると、いつものように触れるだけのキスから始まり、やがて角度を変えて啄むように徐々に徐々に深いものに変わっていく。
私から漏れる吐息もいつもより甘くて、そんな吐息を彼は飲み込んで行く。
もう息苦しさに限界を感じてギュッと彼のシャツを握り締めると、彼がゆっくりと離れていった。
「美優、どう?大丈夫…」
少し擦れた声で聞かれ、コクンと頷くと同時にルームサービスがドアの前までやってきたみたいだ。
「美優は待ってて。
続きは食べてからかな…」
そう言うと、ソファーから立ち上がりドアへ彼は向かう。
私はぼんやりとその背中を見つめ、いつもと違う彼の行為にドキドキしていた。


