秘密の時間



そんな事思ったらため息がでた。


「で、聞いてる?中村さん!!」

「……」


恩田さんの口調はいつになく厳しくて、まるでナンパしてる風じゃあない。



「無言は肯定とみなすけど、いいよね!」

「え、えーと…」



ニャリと浮かべた表情は何か企みがあるようで怖い気がしたが、話を聞いてなかった私が悪い訳で仕方なく、コクリと頷いた。



「じゃあ、明日の帰り、楽しみにしてるよっ」

「……」



彼はそういうと自席に戻り仕事を始める。



『明日の帰り、楽しみにしてるよ』
って、私、どんな約束取り付けたんだろ?