秘密の時間



一歩踏み出すと、結構すたすた歩けた。



改札口。

振り返って立ち止まってたあの場所を見ると、まだ部長が立っている。



振り向いた私に気付き手なんか振ってくれたりして。



私はそんな部長に軽く頭を下げ、改札をくぐり抜けて家路に着いた。






そして次の日。



いつもの様に恩田さんにナンパされてる時、

部長が私達の隣を通り過ぎる。



いつもなら『美優…』って呼んでくれる筈なのに、
無言のまま、通り過ぎた。


「…ねぇ、聴いてる?俺の話。

で、いつなら…」



ああ、やっぱり昨日の部長の台詞は本音だったんだ。



『彼氏がいないなら、、奴にしとけ』