廊下に出ると、部長は私の隣に並んだ。
「美優、今日はまず俺と美優の関係を知って貰う事が一番だから…
だから普通に俺の隣に居ろ」
そう男らしい台詞を口にして私の手を握る力をギュッと強めた。
そんな事いいながらも、緊張してるのが物凄く掌から伝わってくる。
私も小さく頷いてほんの少し握られた手に力を込める。
私達、これからはもう内緒でこっそり会わなくて良いんだよね。
そう思うと、ほんの少し気持ちが軽くなった。
だからって、問題は山積み。
まずは部長の上司に報告して…
報告?
なんで、そんな事するの?
急にそんな疑問が振って沸くから足は自然と止まってしまった。
「美優、どうした?」
部長の不安そうな声が聞こえる。
でも……。
その報告は必要なの?
どうしてもしなくてはいけないの?


