「で、目的は?
写真撮ってそれだけ?
恩田は何がしたいの?」
部長は真剣な眼差しで私に問う。
た、確かに、そうなんだけど…
「ば、バラ舞くそうで…」
「バラ舞く?
そんな事して、恩田に何の得があるんだ?
美優、ちゃんと話して!
恩田は損得で物事を考えてる節があるから、それだけな筈がない。
美優、隠し事せず、話してごらん」
「……」
話す、って言われても…。
部長にどうやってこの事実伝えたらいいの?
けど、部長の読みは合ってるし、ここで誤魔化すなんて出来る訳ないし…
「あのー、あの、ですね…」
そして私は、恩田さんと会議室でのやり取りを話した。
部長はその話に真剣に耳を傾けてくれて、最後まで話を聞いてくれた。
「恩田の奴、そうでたか…」
話を聞き終えた部長はそう呟いて考え込んだ。
何を考えてるんだろ?
こんな私の事、どう思ってるんだろ?
言葉がない分、不安になる。
「美優、明日の朝、少し早く出社出来るか?
その前に、確認したい事があるが…」
確認…?


