秘密の時間



とりあえず自分の席に戻り、与えられた仕事をこなす事だけ考える。



部長にはこれ以上心配掛けたくないし、


それに恩田さんだって、今日この後すぐ…、と言う訳でもなさそうだし。



だったら、今日仕事が終わってから考えたって間に合うはず。



だから私は、今まで手に付かなかった分の仕事をサクサクとこなしていった。



とにかく、集中すれば就業時間内に終わる筈。




恩田さんから言われた台詞を頭から振り払い、私はただがむしゃらに仕事した。



そして、仕事を終えて……。



就業時間の終わりを知らせるチャイムと供に、私は帰るために席を立つ。



ここでくだぐだしていたら、きっと部長に声を掛けられてしまう。



これ以上心配掛けたくない私は、いそいそとフロアを後にした。