秘密の時間



私をそのベンチに座らすと、部長は私に「ちょっと待ってて」なんて言い残し、何処かへ走り去っていった。



えっ……、こんな知らない所でひとりぼっち!?




なんかもう頭の中がぐちゃぐちゃだ。



だって、デートなんて言われたからもっと大人な感じな場所に連れていってくれるのかな?なんて思ってたのに。



映画観て、その後カフェでお茶したりとか、ショッピングモールを見て歩くとか…。




それとも、部長の私のイメージは子供だから、ここへ来たの?




色々な事を考えていると、涙か溢れそうになる。



その時、部長が息を切らし戻って来た。



「はい、美優、これ飲んで少し落ちつこ」



そう私の目の前に差し出したのは、ペットボトルの飲み物だった。



「部長?」

「気分、悪いんだろ?

美優も俺が体調悪かった時持って来てくれたろ。

取り敢えず、まだ時間あるから、少しここで休も」



えっ、『時間がある』ってどういうこと?



それに、わざわざ私の為に飲み物買いに行ってくれたの?