秘密の時間



呆気に取られ言葉を紡げないでいると『じゃあ決まりだね』なんていたずらっ子みたいな声が聞こえる。



「えっ…と、でも…」

『今度の土曜日。午後なんてどう?
ちょっと遠出してふたりでゆっくりしよ』



私の知っている部長の口振りと違って、何だか賦に落ちない。


でも、仕事以外でふたりっきりになれるチャンスなんてなかなかないから、
私も気が付けば「はい」なんて返事を返していた。




そして、待ちに待った土曜日。



前日にメールで時間と待ち合わせ場所を決め、今に至る。




前に部長とふたりで来たコンビニ。



そこで待って居ると、一台の車が私の目の前で止まった。