秘密の時間



沈黙が流れる。



もしかして、彼の機嫌でも損ねる事、言ってしまったのだろうか?



無音な時間が長くなる度、不安が徐々に広がっていく。



『ふっ、そうか、よかった…』



耳に届いた声は、怒りを露にした声ではなく、
ふっ、と吐かれる息と共に安堵感のある声音で、ひとまず私も安心した。



「…ごめんなさい」

『なんで美優が謝るの?』

「だって……」



部長に心配掛けさせたのは私で、きっと繋がらないメールにやきもきしていたのも部長だから…。



そう考えると泣きたくなる。



ただでさえ忙しい部長なのに…。


私なんかの心配をさせてしまって…。



『反省、してるの?』

「反省、ですか?」



ど…どうだろ?

これって反省かな?



『じゃあさ、デートしてよ』

「デート?」

『そう、デート!』