秘密の時間



「へぇー、そんな事あったんだ。やっぱり恩田さんて『手が早い』って聴いてたけど、ほんとだったんだね」


「……」



他人事のように呟いた葉子ちゃんは小さなため息を吐いた。



まぁ、葉子ちゃんにとっては『他人事』なんだけど…。



その呟きが少し淋しかった。


でも…


俯いた私に気付いてか、次の台詞で私は物凄く幸せになる。



「でも、大橋部長って美優にとって『王子さま』だったんだね。

まぁさ、大橋部長も苦労人みたいだから、美優見てると癒されたんだろうね」



ん?苦労人??



今いちよく意味が解らないが、ふと顔を上げると葉子ちゃんが優しく微笑んでいた。



だから私も嬉しく微笑みを返す。



「美優、大橋部長と両思いになれてよかったね。
おめでとう。

お昼休みの時は…、本当にごめんなさい」



なぜかそお言うと頭を下げた葉子ちゃん。



私はそんな葉子ちゃんを少し子首を傾げて眺めた。