素直になれないお二人さん。




「玲おはよー」

「おー、おはよー」


心の中で航太郎を罵倒しながら、廊下で会った友達と挨拶を交わす。


そのまま3組を覗くと、廊下側の1番後ろの席で、机に顔を伏せている和希を発見した。




「塚ぴー」


ドンドンと決して優しくはない力で肩を叩くと、和希は「んん…」と唸り、むくっと起き上がった。



「おはよー、塚ぴー」

「ん、玲か」

「塚ぴー、航が呼んでたよ」

「……塚ぴーって何」

「塚本だから塚ぴー」

「やめろ」

「なんで。可愛いのに」

「………」


おぉ、睨んでる睨んでる。
別に怖くないけども。
てゆーかむしろ面白い。



「塚ぴー塚ぴー塚ぴー」

「………」

「塚、いだっ!」




面白がって"塚ぴー"を連呼してたら、無表情でバシッと頭を叩かれた。



「いてーよ」

「…ん、航太郎んとこ行ってくる」

「あーはいはい。いってらっしゃい」




痛いっつってんのに、普通にスルーされたけど、和希の場合いつものことだから気にせず、痛む頭を押さえながら、ヒラヒラと手を振った。