そもそも最初はあたしよりシマくんの方が航太郎と仲が良かった。
あたしと航太郎は同じ高校で同じクラスだけど、それ以前にシマくんと航太郎は同中で同じ部活だったらしいし、確かに高校こそ違うかもしんないけど、あたしが知る限りでは、二人はなんだかんだ仲良いように見えた。
…のだが、
「なんか航太郎と遊ぶなってよ」
「二人で?」
「いや二人でなんか遊ばないし」
「え?皆で?え、皆と遊ぶのもダメって?」
嘘でしょ?と言わんばかりの菫にため息を吐きつつ、頷く。
「てゆーか何で航太郎限定?」
「いやあたしにもわかんないんだよね」
「え?和希とか石井は?いいの?」
「それが航太郎のことしか言われなかったんだよね」
「意味わかんないわね、島木」
「うん、本当にね」
あたしにとっては航太郎も和希も一緒なのに、何故かシマくんは航太郎指定で理不尽なことを言い出したのだ。
「え、例えば?」
「なんか、航太郎のアドレスは消せとか」
「は?」
「アド変して航太郎には教えんなとか」
「はあ?」
「航太郎とは喋っちゃダメとか」
「はああ!?」
ちょ、どんどん声でかくなってるよ菫。
ついでに眉間のシワも深くなってます。
「それ、本当に島木?」
今日1番の大きなため息をついた菫は、ついには額に手を当てて疲れたような声を出した。
なんで本人のあたしよりも疲れてんだ。
なんて突っ込めば強烈な蹴りが入ってくるから言えない。


