二人で見詰め合うと、とりあえずの方針を固めることにした。
この本の著者―…ディオン・エモニエに至急連絡を取る事。
レイシアとセイドリック、そして他のクイーンやキングたちに緊急の召集を掛ける事。
「そうだ…今、ここにはどれくらいの人間がいるのかしら」
気になった質問を投げかけると、ライネは一枚の地図をミリアに手渡しながら指差した。
「ここが、僕の城と領地」
指差した先には、グリーンゲート、という文字が書かれていた。
そこから北、川の先にディープブルー、という文字。
更に北の山脈にはパープルリバーという文字が躍っていた。
「そして、ここから東が…」
指を追っていくと、そこにはサンドイエロー。更に南にはブラックバレー、という文字。
「ここが、スノーホワイト…」
言いながら指し示したのは、丁度地図の真ん中だけぐるりと山で囲まれた領地だった。
「じゃあ、六人なのね。…あら、この右下のところは、誰の名前もないけど」
「そこは、君が治めることになるところだね。南の方に火山があって、温泉が湧き出て、暖かくて素敵なところだよ。かつて、彼女が治めていたところだ」
「そうなの…落ち着いたらゆっくり見て回らないと。ライネさん、案内してくれる?」
ミリアが尋ねると、ライネは微笑んで頷いた。