その後のことは日記に書かれていなかったけど、マムからその話をいっぱい聞いたんだ。
 マムはるぅがお腹で動くようになってくると、話しかけてくれたり音楽を聴かせてくれたんだよ。
それからね、マムは不思議な夢を見たんだってさ。『るぅ』って呼びながら笑って、赤ちゃんを抱っこしている夢。
その夢を見て、名前を決めたんだって。
 るぅは、マムが泣きながら何度もるぅの名前を呼んでいたのをお腹の中にいたときに聞いていたんだよ。
「るぅ、ごめんね」
って、何回も言っていたんだよ。

るぅには、どうしてマムがそう言って泣いていたのかよくわからなかった。でもマムが泣いていると、るぅもとても苦しかったの。
 雪がいっぱい降った一月のある日。
るぅは、明るい所に引っ張り出されました。でも、るぅは温かいお腹の中から出るのが嫌だったの。
マムと離れてしまいそうで……。
るぅは、生まれて直ぐにマムに抱っこされてホッペを指で撫でられたの。でも怖かったから、ずっと泣いていたんだ。

そんなるぅを見てマムは、
「るぅ、マムだよ。待ってたんだよ、ずっと……」
って、声をかけてくれたんだよ。
マムは、るぅをすごくいっぱい待っていてくれたんだって……。
 秘密だけどね、マムはるぅが生まれるまですごく泣き虫さんだったの知っているんだ。

でもね、るぅが生まれてからは、マムの泣いているところなんて見たことないんだよ。
 マムはいつもニコニコしながらるぅを抱っこして、歌を歌ってくれたりお話を聞かせてくれるんだもん。
 るぅのホッペにチュっていっぱいしてくれて。寝るときもホッペをスリスリして、チュってしてくれるんだ。
だからお返しに、るぅもマムのホッペにチュってするんだよ。
 マムはね、るぅをいつも守ってくれる強い味方なんだ。だから、るぅはマムに抱っこされるのがすごく大好きなんだよ。
 るぅもいつかマムみたいになろうとしてがんばってるんだ。