マンネリカップルの危機。



「あ、あの、爽汰……」


あれからずっと話してなかった爽汰。

その爽汰が目の前にいる。


とりあえず、謝らなくちゃ……。


「爽汰、ごめ……ひゃっ!?」


ちゃんと言葉を言い終わらない内に、爽汰にギュッと力強く抱きしめられた。


「そ、爽汰……?」


こんな風に抱きしめられたのはいつ振りだろう。

爽汰はギュッと……まるで離さないとでもいうように強くあたしを抱きしめる。


「爽汰、苦し……」

「……よかった」

「え?」

「……春菜が俺の隣からいなくなるかと思った……」


爽汰……?


「ちょっ……本当に苦し……爽汰!」

「あ、ごめ……つい……」


爽汰が抱きしめていた手を緩め、あたしは深く酸素を吸い込む。

はぁ……苦しかった。