「あの時、爽汰のこと聞いたらちょっと元気なかったから。
気になってたんだ」
「そっか……ごめんね、気遣わせちゃって」
「いや、俺が勝手に気にしてただけだから。
……でも、その様子じゃまだ解決してないようだね」
「うん……でも……」
決めたから。
ちゃんと話すって。
だから……
「あの、ごめん。
横田君、あたし急い……」
「あのさ、西崎」
横田君が真剣な目であたしを見る。
「は、はい？」
「俺……やっぱり、まだ西崎のこと好きだよ」
「……え？」
「この前西崎と会って……あの時の気持ち、蘇ってきた。
だから、爽汰と上手くいってないんだったら……俺と……」
「っ、春菜！！」
突然、腕を引っ張られる。
ビックリして心臓が止まりそうになったけど……すぐに大好きな匂いに包まれた。
見上げると、爽汰が息を切らしながらあたしの腕をしっかり掴んでいた。
「爽汰……？」
