方向を変えて、家への道を急ぐ。


早く爽汰に会いたい。

爽汰と話がしたい。


ただその一心で必死に足を動かす。


短いあたしの足じゃ限度はあるけど、必死に歩く。


爽汰……


「西崎!」

「え?」


突然、名前を呼ばれる。


あれ……何かちょっと前もこんなことあったような。


「横田君、」

「また会ったな」

「うん、本当。偶然」

「どっか行くの?」

「あー……行くっていうか、帰ろうと思って」

「そっか。
あ……そういえば、あれからどうなった?
爽汰と」

「え………」


えっと………。

何て答えれば……