流されるままお風呂に入ったあたし。
そして、洗濯したばかりのルームウェアに袖を通す。
うん、柔軟剤のいい香りがする。
爽汰、まだ起きてるかな……。
起きてたらちょっとでもいいから話したいな……。
本当にちょっとでいいんだけど。
ただ、爽汰のそばにいたいだけ。
「いや、だからそれがいいんだって!
すっげー可愛いの!
俺、もう最近ドキドキしっぱなしだから!」
あたしはリビングの扉を開けようとして……やめた。
……電話?
可愛い?ドキドキ?
「……え?春菜?
気付いてない、大丈夫大丈夫」
……気付いてないって何さ。
何が大丈夫なのよ。
「たまにさ、思うんだよな。
俺、毎晩何してるんだろうって。
でもやっぱ耐えられなくてキスとかしちゃうんだよ」
……は?
……キス?
誰によ。
あたし、された覚えありませんけど。
ここ最近キスなんかしてませんけど。
「お前、これ絶対誰にも言うなよ!
特に春菜。春菜に知られたら……………………って、春菜……」
気が付いたらあたしはリビングの扉を開けてしまっていたらしく。
中にいた爽汰とバッチリ目が合ってしまった。

