家に帰ると、リビングの電気がついていた。
あれ……今日は早く帰ってきたのかな。
「ただいま」
そう言いながらリビングに入ったけど、返事はなかった。
「爽汰?」
部屋を見回してもいない。
あれ……あたし、電気つけっぱなしで出かけちゃったかな。
いや、でも玄関のカギも開いてたし……。
「おかえり」
突然後ろから声が聞こえ、振り返るとお風呂上がりなのか髪が濡れたままの爽汰が立っていた。
「今日、早かったんだね」
「あー……うん、まぁ」
……何となく歯切れの悪い返事。
「爽汰……?」
「春菜も風呂入ってきたら?
疲れてるだろ」
「あ……うん」

