マンネリズム
一定の技法や形式を反復慣用し、固定した型にはまって独創性や新鮮さを失うようになる傾向。
by 広辞苑
「だって。
今朝調べてきた」
「だって、じゃないよ」
ユカが呆れたような声を出す。
「そんなもん調べてる暇あるなら、何か改善しなさいよ」
「ユカに正確に伝えなきゃと思いまして」
「そんな正確さはいらん」
ユカが小さく溜息をつく。
「……で?
調べてみて当てはまったわけ?」
「小難しく書いてあるからよく分かんないけど。
まぁ、新鮮さはないよね」
「そりゃ10年も付き合ってたら新鮮さもなくなるわ」
「10年じゃないよ。
まだ8年。もうすぐ9回目の記念日。」
「似たようなもんよ」
そう言うとユカは通りかかった店員さんを呼び止め、コーヒーのおかわりを注文した。
「付き合い始めの頃はあんなにラブラブだったのにね。
高一の頃だっけ」
「うん。もうあれから9年だよ。
あたしも25になっちゃったよ」
早かったなー……。
学生時代なんてあっという間に過ぎ去ってもう社会人だもん。