正しい俳優のなり方教えてください。

「呼んだ?ボス」
「呼んだ呼んだ。ベッキー、彼女は片倉古樹くん。今日からうちの俳優になる。かっこよく仕上げちゃって!」
「了解。ボス」


そのままあたしはベッキーさんに手を掴まれ、奥の部屋に連行される。
あたしははっと我にかえる。


「ちょっ!待って!嫌だ!あたし男になんかなれない!」
「大丈夫大丈夫。ベッキーを信じて!必ずかっこよくなれるから」
「初対面で信じるなんてできるかああああああっ!!」


あたしの叫びは虚しく終わり、扉を閉められ、鍵をかけられる。


「さあ・・・始めようか」


怪しく笑うベッキーさん。その怪しさもお美しいけど今のあたしには恐怖しかなかった。


「いやだああああああっ!!!」






「うるせえ女だな」
「まあまあ。相変わらず短気だなあ。陣は」
「うるせえ」
「けど、いっちーの妹って似てないよなー。いっちーはかなり女顔だし、古樹くんは中性的で・・・たぶんお父さん似なんだろうな」
「・・・可愛い妹だって自慢してたよな。あいつ」
「うん。よく言ってた」
「その可愛い妹を置いて逃げて、知らない内に連帯保証人にして・・・理解できねえな」
「陣・・・」