正しい俳優のなり方教えてください。

社長さんは少し考えて、あたしをじっと見る。
見て、立ち上がり近づいてきた。
そして間近でまた観察。


「・・・妹ちゃん、名前は?」
「古樹です」
「こじゅ?字は?」
「古い樹で古樹です」
「片倉古樹・・・片倉古樹・・・よし、決めた。君は今日から片倉小十郎!」
「は?」
「知ってる?片倉小十郎」


あたしは首を横に振る。


「伊達政宗って武将は?」
「それは知ってます。独眼竜っていう・・・」
「そうそう。片倉小十郎は伊達軍の軍師で伊達政宗を支えた重要人物なんだ。だから古樹くんにもうちの俳優として事務所を支えてもらいたいんだ」
「いや、あたし女・・・」
「ベッキー!」


社長さんがパチンと指を鳴らすと奥の部屋から超絶に美しい女性が出てきた。
腰まで伸びた金髪に、青い瞳、身長はあたしより高い。多分177くらい。パンク系な格好されてるけどかなり似合う。