正しい俳優のなり方教えてください。

白神さんはそのまま社長室にノックもせず入った。


「おー、珍しい客がきたもんだ」
「久しぶりだな。赤羽」


なんとか追いついて、あたしは乱れた息を整える。
社長室にいたのは、明るい茶髪の一見チャラ男にしか見えない男性だった。
耳には大量のピアス
胸元が空いたシャツ
着崩したスーツ
そして茶髪。
また変なキャラが出たなと内心思う。
男性はあたしに気付ききょとんとする。


「陣、その子は?」
「一樹の妹だ」
「妹!?いっちーの?弟かと思った」
「一樹が借金踏み倒して逃げやがった。こいつが連帯保証人だ」
「あらあら、若いのに大変だね」
「お前、若手の俳優ほしいって言ってたよな。近々映画があるかなんかで」
「言ってたけど、男がほしいんだよ」
「こいつ、使えねえか?」
「だから、男だってば」
「男として使えばいい。背は170、顔も中性的。体も貧相。最高な逸材じゃねえか?」


なんて失礼極まりないんだ。
体も貧相って、確かに胸小さいけどさ
貧相はないと思う。
ほんと。