「…何言ってんだ…俺とお前…全然、立場が違うだろ?簡単にカミングアウトできるかよ」



「・・・」


立場は違うけど…


私だってお父さんの融資の話と引き換えに結生の花嫁になっただけ。



「本宅まで連れて行ってやる。俺に付いて来い!」


「うん」


私はかっ君の後について行く。



「車で迎えに行こうと思ったけど…生憎、作業着姿で、緊急だったみたいだから…着替える時間がなくて走ってきた」



「本当に私の為にありがとう~」


「お前はこの邸宅の御曹司の奥様だ。当然のコトをしただけだ…使用人に気安く礼なんて言うな…」