私は結生の言葉を信じて、その場でジッと本宅からの迎えを待っていた。



「!?」


私に向かって、木々の間から人影が近づいて来る。



「大丈夫か?麻有」


私を呼び捨てる若い男。


藍色の作業服に黒い長靴を履き、髪はすっぽりと白いタオルで覆われていた。


見たコトのあるキリッとした太い眉に利発そうな二つの瞳。



「俺だ…麻有…世良克敏(セラカツトシ)だ…」



世良??


「かっ君??」


「そうだ・・・今朝…お前の顔を見た時…びっくりしたよ…麻有が結生様の奥さんなんだから」