濱部社長はリンの言葉で安堵の表情を浮かべる。



「それよりもいつもの卵です…」


結生は私の膝元に置いていた卵の入った風呂敷を濱部社長に渡した。


「サンキュ~お前の所の鶏の卵は美味過ぎて…スーパーの卵が食べられなくなってしまって…嬉しいよ」


「じゃあ~今度の新商品のCMにリンとシンを起用してください!!ついでにウチにそのCM企画させてもらえたら、嬉しいんですけど」



「リンとシンは起用してもいいが、ウチは大手の広告代理店と専属契約を結んでいる…。その契約が終わるまで…契約は結べない…隣の好でも、ビジネスは別だ」



濱部社長さっきまで、友好的な感じで話していたけど。

ビジネスの絡む話になった途端に、表情を引き締めて冷たい声になった。