dearest~最愛~

結局那珂の機嫌は翌日には治ってた



でも問題は解決してない


俺の問題も


『恋…今日放課後話せないかな?』



昼休み那珂たちと別れて一人で歩く俺に声をかけてきたのは元カノだった


『話すことないし俺放課後は忙しいから』



『お願い話だけ聞いてよ』



『無理だから』


それだけ言って泣いてる彼女を置いて俺は歩く


自分から別れを言ったのに今さらだよ


彼女とは高校に入ってすぐに付き合い出した


それから流加がうちのバンドに加入してからも付き合ってた


流加がバンドに加入してから半年過ぎた頃


彼女から別れたいと言われた



俺も別にはっきり言ってめちゃくちゃ好きだった訳じゃない


それに流加が気になり出していたから



だから彼女の意見をただ聞き入れた



なのになんで今さらまた俺に話があるとか言うんだよ



俺は今…もう好きな奴が大切な流加が居るのに


何を話されても困る



俺にはもう流加しか見えないから


流加だけが大切だから