そして夏になる前に那珂が倒れた


原因は過労


大学にCD制作、ライブの構成と抱えている物が多すぎて寝る時間を割いていた那珂はついに倒れたのだ


『限界だな』


恋が言う


『そろそろ本気で那珂が安心して任せれる奴探さないとな』


結城さんが言う


『ねぇ、いい人材なら近くに居るんじゃない』


蛍が言う


『おう、確かに、聞いてみるか』


恋はそういい誰かに電話をかけてた


不思議そうに私はみんなをみた


蛍が気づいたのか説明してくれた



みんなが言っていたいい人材とは龍先輩のことだった


龍先輩は卒業と同時にバンドを辞めた


いや正確にはバンド仲間がみんな進学や就職をしたから辞めるしかなかった


今はバイトをしながらお金を貯めてるとか、いつか自分の力で音楽をやる人の力になりたいとか言っていたらしい


『龍なら那珂の考えに近いし、恋を慕ってるからいくらかのワガママは通るだろうし、なにより気を使わなくていいしね』


なんて言う


『でも、龍先輩は受けてくれるかな?』


『大丈夫だろ、あいつはお前らと仕事したいとか嘆いてたけど俺がマネジャー見つけていたし、那珂やお前らが龍を頼るとかしなさそうだったしな、まあこうなった以上龍に頼むのが一番いいと思うよ』


なんて結城さんが言った