dearest~最愛~

つまり彼女は兄貴を手に入れる為にワザと校長に写真を流し呼び出されたところにわざわざ自分だと名乗りに行き兄貴が何も言えない様にしたんだ


『しかもさ、彼女言うんだよ、さっさと別れなきゃ想羅に先生を取られたことにして校長に言うとかさ、あり得ないだろ』



彼女は兄貴と想羅ちゃんを本気で別れさせる気なんだ


兄貴がそう言えば想羅ちゃんと別れるのをわかって居て全て仕組んだんだろう



『兄貴それ想羅ちゃんには』


『言えるわけないだろ、想羅の為にも別れるしかないんだ』


『いいのかよ、兄貴はそれで』


『もうわからないんだ、守りたくても俺には何も出来ない、一緒に居たら想羅を傷つけるだけなんだ』


いつもの強い兄貴はそこには居なかった



どうすればいいのか俺にもわからない


ただこのまま兄貴をほっとくことなんて出来なかった




しばらくして流加から電話が鳴る


俺は兄貴を部屋に残して外に出て電話に出た


『恋、先生なんて?』


流加に聞かれた


『流加には教えない』


『なんで?』


『お前に教えたら想羅ちゃんにも言うだろう?それに今流加に教えたらライブどころじゃなくなる』


『恋、キレるよ』



『落ち着けよ、兄貴は別に想羅ちゃんを嫌いになったわけじゃないから、守りたいだけなんだって』


そう今にもキレそうな流加に伝えた