dearest~最愛~

だから俺と結城でいきさつを話した



『凄い流加メジャーデビューってよかったね、びっくりしたよ、まさか流加のお兄さんが明の親友だったなんて、凄い偶然だね』


歩ちゃんは嬉しそうに言った



『だからどうしても彼に佐野明に会いたいんだ、どうにかならないかな?」



結城は諦めず歩ちゃんに言っていた



『ごめんなさい、多分きっと私から連絡しても明はもう出てくれないと思うんです』


歩ちゃんはそう切なそうに答えた



でもここまで来たら俺らも諦められない


だって多分、いやきっとこれは流加の兄貴がくれた運命だから


『じゃあやっぱり家に行くしかないか』


結城が言う


『家に行っても多分明は居ませんよ』


歩ちゃんが言う


『なんで?』


結城は聞き返した


『明、今、寮生活なんですよ』



『え?寮?ちなみに高校って何高?』


『東高ですよ、東は完全寮生活なんで、本当はM大付属に中学から通って居てそのまま進む予定だったんですけど、親の反対押し切って東高に行ったんです』


歩ちゃんの話しを聞き流加が急に泣き出した


『流加?どうしたんだ』


泣く流加を抱き締めて聞く



『ごめん、、、だってお兄ちゃんが行きたかった高校だから東高は、、、佐野さんお兄ちゃんの為に東高に行ってくれたんだね』


流加は泣きながら話す