はっきりした理由はわからない


でも佐野さんが言った言葉


『もう悠からは卒業しなきゃね』


それが何を意味するのかは私にはなんとなくわかったんだ


きっと佐野さんもお兄ちゃんが居なくなって時間が止まってしまった一人なんだってこと



『そっか、残念だな、せっかく居場所がつかめると思ったのに』


残念そうな結城さん


『あ、でも家ならわかるんじゃないか？』


恋が急に思い出したかのように言う



『確かに家ならわかるわよ』



話しを聞いていた真琴さんが言った



『マジか、よし家行ってみる』


『今からか？今日は遅いから明日にしな』


結城さんは那珂に止められて今からか行くのは辞めたみたい


そんな話しをしている時、想羅の携帯がなる


『あ、ごめん、歩からだ、どうしたんだろ？』


そう言い想羅は少し離れて歩の電話に出た


しばらく話してから想羅は電話を切り先生に言う


『先生、今すぐ駅に連れてって』


『は？どうした急に』


想羅の顔つきがいつもと違っていたから先生は心配そうに聞いた


『歩が、、、泣いてる、早く、駅まで連れてって』


歩が泣いてる