お兄ちゃんの思いが沢山詰まった本なんだ


『愛しい妹流加へ』


沙菜が表紙を読む


『流加、笑ってますか？泣いてますか？お兄ちゃんは流加の笑顔が大好きです』



想羅がページをめくり読む


『流加、いつも我慢ばかりさせてごめんな、でもお前の我慢強さは世界一だよ』


またページをめくる


『流加、うちの親は期待ばかりしていつも俺たちを見ようとはしないね、いつかもし親を裏切ることになったら流加への期待が大きくなってしまうかもしれない』


またページをめくる


みんなが交代に文字を読んでいく


『その時は少しだけ少しだけでいいから親の期待に応えるふりをしてあげて、でも忘れないで、流加は流加の好きな道を進めばいいってことを』


『流加、もし流加が道に迷って泣いているなら一度立ち止まればいい、きっと答えは自然に見えてくるから』


『流加、流加に好きな人が出来たなら沢山愛してるあげてな』


『流加、好きな人と気持ちが通じたなら沢山愛してもらいなさい』


『そして、好きな人を信じてあげなさい』


『流加、いつか流加にも大切な人が増えるだろう、その時は大切な人を守れる強さを忘れないで、きっと流加なら持てるから』


『流加、大切仲間が出来たらその仲間と沢山笑いなさい』



みんな静かに順番に読んでいく