俺は抱きしめることも出来ずただ話す


『那珂、悪い流加を頼む、一人でちゃんと考えたいんだ、今は時間が欲しい』


『わかったよ、恋、でも一人で抱え込むなよ』


那珂が言う


『ああ、明日のライブが終わったら俺は兄貴の家に行くよ』


こうして俺はみんなから離れることにしたんだ


流加は最後まで納得してなかった


ただ泣きながら嫌だと言い続けたけど那珂と蛍が流加をなんとか説得してくれた




最終日のライブ、流加は泣きながらそれでもちゃんと歌い切った


こうして夏のライブは幕を閉じた



ライブを終えて流加はやっぱり元気が無くて、那珂が真琴に頼んで連れて帰ってもらった


那珂はどうしても俺と話したいと言うから今俺と那珂と蛍は控え室で話すために残っていた



『恋、お前さ、何をそんなに悩んでるんだよ』


那珂に聞かれた


『姫の事本当に怒ってるわけじゃないんだよね?じゃあなんでそんな顔してるの?』



那珂に続き蛍も聞いてくる



『ごめん、違うんだ流加を怒ってるわけじゃないんだ、流加がとった行動も理解してる、流加が悪いとか思ってないし攻める気もない、ただ俺が弱いんだ、流加を信じきれなかった自分が嫌で仕方ないんだ』


そう二人に話す