下の名前とかじゃ無い事に少しだけ安心した



『うそうそ、君が恋くん?流加ちゃんの彼氏くんだよね?』


『はい、そうですよ、あなたは?』


負けるわけにはいかないそんな気がした



『俺はね、流加ちゃんのお兄さん悠の親友だよ、彼女に悠からの預かり物を渡したくてね、何度か会ってた、それで今日やっと悠からの預け物を渡せると思って家に来てもらったんだ』


そう説明された


信じれるような信じれないようなそんな話し


『信じられないって顔してるね、これがその渡したかった物だよ』


さっきから流加が大切そうに抱きしめてる物を彼が流加から受け取り机に置いた



それは一冊の本になっていて表紙には


『最愛なる妹流加へ』


そう書かれていた



『見ていいですか?』


那珂が聞いた


『これは、流加ちゃんのだから流加ちゃんに聞いてくれるかな?』


『流加、見ていいか?』


流加は那珂の問いに頷く


俺は那珂と一緒に本を開いた


中には流加の兄であろう人物の写真と文字が書かれていた


『これって』


俺は彼を見て聞く


『流加ちゃんのお兄さんだよ、これを撮ったのが俺、二人で作った最初で最後の本だよ、もちろん流加ちゃんの為にね』


彼はそこから沢山の事を話してくれた