dearest~最愛~

問題の日曜日私はただ恋に用事があるとだけ言い家を出た



お兄ちゃんのお墓に一人で向かった


ここに来たのは高校入学が決まった時以来だ



あれから一度も来て居ない


なのにすごく綺麗に掃除されて居る


『誰がしてくれたんだろう』


思わず声に出して言っていた


両親が来るわけないし親戚も来ないのに、、、お墓は本当にきれいにされて居た


『こんにちわ、彼の妹さんかな?』


声をかけてくれたのはお墓を管理しているお寺の住職さんみたいだ



『あ、はい』


『やっと会えましたね、彼の親族さんはあまり来られないからね、きれいにされてるでしょ、お兄さんのお墓』


そう話し出した



『あ、はい、ありがとうございます』



なんとなくお礼を言う



『私じゃありませんよ、毎月月命日に男の子が来てくれてね、きれいに掃除してくれてるんだよ、始めは弟さんかと思ってね、話しかけたら彼には弟なんて居ませんよ、居るのは可愛い妹さんですよって言われてね、俺は彼の親友なんですよって話してくれてね』


住職さんは笑いながら話す



『そうだったんですか』


その時後ろから名前を呼ばれた


『流加ちゃん』


振り向くと彼が立って居た


『彼ですよ、さっき話してたお兄さんの親友ってのは』



住職さんは彼を見て教えてくれた



『え?』


私は彼を見る