那珂が真琴さんと別れてまで守らなきゃいけないものはきっとほかにないはずだから


『流加には、姫には敵わないな』


那珂は辛そうに笑う


『ねぇ、本当に真琴さんと別れていいの?好きなんでしょ?傷つけてまで離れなきゃいけないの?』


きっと那珂ならわかってくれるそう信じて話す


『好きだよ、嫌いになるわけがないでも、いくら好きでも選ばなきゃいけなくなったとき流加ならどうする?』


ほらね、那珂が真琴さんを嫌いになるわけがない


『それはバンドか恋か選べって言われたらってこと?』


『ああ、流加はバンドか恋どちらを選ぶ?』


やっぱりそうだよね、那珂が別れを告げる理由なんて、私たちの為か真琴さんの為かまたはその両方かだよね


『私なら両方守る道を意地でも探す、だってどちらかだけを選んでも幸せになんてなれないでしょ?比べれたいくらい大切で必要なんだもん、それなら苦しくても辛くてもどちらも失わない道を探して見せる』


私は那珂にそうはっきり答えた


だってそうでしょ?どちらかを失って得た幸せなんて本当の幸せだとは思えないから


それなら苦しんで悩んで辛くても両方守れる道を探した方が幸せだと思うから