seid恋


初めて誰かに兄貴の話しをした



兄貴は三年前に教え子と恋に落ちた


兄貴は本気だった


教師を辞める道まで考えていた


でも彼女は違った


ただの憧れだったのかもしれない


卒業する頃には違う男と付き合っていた


そう卒業まであと一年と言う時に学校にバレてしまったんだ

何があったのかははっきりとはわからない


ただあの時の兄貴の顔は凄く切なそうで今でも忘れられない


だからあれ以来兄貴が一定の生徒と親しくして居るのをみたことがなかったし、恋人を作る気配も全くなかった


まあ、多分流加が俺の彼女だから周りの友達もただそれだけの理由で親しくしてるだけなのかもしれない


『兄貴もそろそろ落ち着けばいいんだけどな』


『そうだね、いい人表れるといいね』


流加は俺の話しを聞聞いて言ってくれた


まあこればかりは兄貴の問題だからどうにかできることじゃないんだけど


気づけば俺は流加を抱きしめたまま眠ってしまっていた