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階段を降りたらリビングだったのに今私が聞いてる声はなんなんだろう



『何で何で悠なの?何悠が死ななきゃいけなかったのよ』



お母さんの苦しそうな声



『流加が変わりに死ねばよかったのよ』



聞いてしまったお母さんの本音


確かにお兄ちゃんはお父さんとお母さんの期待を全て受けていた


私はそんな優秀な兄に敵うわけもなく


それはわかっていた


でも…お母さんの言葉に私は動けなくなるくらいショックだった


『おい、流加の前でそんなこと言うなよ…流加がかわいそうだろ』


お父さんの言葉でああ私はかわいそうだって初めて知った


『なによ仕事仕事ってあの日以来逃げて家にも帰らないくせに…知らないとでも思ったのあなたが外に若い愛人作って自分の会社の跡取り産ませようとしてること』


お父さんは会社の社長


ずっと昔からお兄ちゃんに会社継がせるって口癖の様に言っていた