泣き続ける女



でも多分流加はもっと怖い思いをして泣いてる



そう思い俺は何度も何度も壁を殴り続けた



『恋止めろギターが引けなくなる』


那珂が止めても俺は壁を殴るのを辞めなかった


『いいよ流加を守れないなら引けなくていいよ』


そうだ俺は流加の為にギターを引きたいんだ


流加に歌って貰うために


流加が歌わないのならギターを引く意味さえなくなってしまう


『恋、辞めろ…流加が悲しむ』


那珂のその一言で俺は殴ってた手を止めた



『ごめんなさい恋』



そう泣きながら言う彼女



『許せないだから二度と顔見せんな』


彼女を睨みながら言う



彼女は泣きながら出ていった




それからはただ携帯を手に連絡を待ってるしか出来なかった



ただ流加の無事を願いながら待つしか出来なくて


辛い思いをしてる流加に何も出来ない自分に腹が立って仕方なかった


那珂はそんな俺を見ながら血が滲み出ている右手を手当てしてくれていた