でも流加に聞くことは出来ない

それは流加がバンドに入るとき流加と唯一約束した事だから



『私の事はなにも聞かないで』


俺たちはそれを了承した


だから聞くことは出来ない


何かあるのはすぐにわかったし

はじめは幼なじみの事かと思ったけど違った


彼の事についてはすぐに話してくれたし隠そうとはしなかったから


でもそれ以上に何かあるのはわかる


だって彼女はたまにいつもしているネックレスを持ち泣いていたから


女の子には似合わないネックレス


幼なじみからのプレゼントだと思ったけど違っていた


だって彼からのプレゼントはいつも嬉しそうに話してくれたからだから違う誰かからだとわかった


でも聞かないと約束したからには話してくれるのを待つしかなかった



今日も流加はおかしかった



帰る前にあんなに切なそうにする流加は珍しい


なによりあのネックレスを握り絞めていたし



それに原付に乗り家に近づくにつれ俺の腰を握る流加の手が強さを増して居たから


でも家に着いたら笑顔でなにも言わずに帰って行った


やっぱり気のせいかとも思った

そんな事ばかり考えながら家に帰った