dearest~最愛~

俺も蛍に言う


『そうだな、俺もこの歌聞いて一歩踏み出せたからね、おかげでめちゃくちゃ幸せだよ』



『恋がのろけてる…恋、俺ね沙菜にコクられたんだ、しかも二回もでも怖くて断った、なのに沙菜待ってるって言うんだよね、俺が動き出すまでずっと待ってるって』


蛍が沙菜ちんに告白されてたことを初めて知った



確かに沙菜ちんが蛍を好きなのはなんとなくわかってた


蛍だって多分好きなんだと思う

だから蛍は沙菜ちんの事で何か悩んでるとは気づいてた


でもまさか告白されてそれを断って居たなんて思いもしなかった


たしかに蛍は過去のことで踏み出せないんだろう



『でもね怖くて、色々な事が怖くて動けなかった好きなのに好きになればなるほど怖くて突き放してしまうんだよね』


蛍は切なそうに言う



『蛍それは俺も同じだったよでも前に進まなきゃダメなんだよね、だから一緒に前に進もうぜ』


俺は蛍の気持ちが痛いくらいわかる


だからこそ後悔はして欲しくなかった



『そうだね俺近いうちにちゃんと沙菜と話してみるよ…俺の素直な気持ち』



そう言った蛍の目にはもう迷いは見えなかった