side流加




暖かい風が吹き始めた春


今日から私は高校に入学する


別に入学式なんて出る必要なんてないそう思ってたのに


一本の電話で私はあわてて用意して玄関を出た


『おはよう流加(るか)』


全ては原付の前で微笑み声をかけてくる彼のせいだ


『…』


おもいっきり彼を睨む


『入学式遅刻しちゃうよ』


私の睨みなんてお構い無しに彼は笑顔で原付の後ろを叩く


私は嫌々彼の叩いた原付の後ろにまたがる


ヘルメットを被せてくれるのは笑顔の彼


『流加しっかり捕まってね』


そう言い彼は原付を今日入学する高校へと向けて走り出す


原付の後ろに乗るのはもう慣れた


ヘルメットも彼が私専用に買ったんだ


私の名前は岡崎流加(おかざきるか)今日から高校一年生



そして原付を運転してる彼恋(れん)


女みたいな漢字の男


まあ恋は本当に女みたいにきれいな顔をしている



恋は私より2コ上


高校は違うくせに今日急に迎えに来た



別に彼氏でもない


恋との関係はただのバンド仲間


ただそれだけ