『それ、なんの歌?』 その囁きは私の耳に。 私は驚いて後ろにしりもちをついた。 目を瞬かせ声のした方を探す。 「~・・・?」 『・・・聞こえて、気になったから聞いただけだ・・・そんな驚いた顔するな』 それはそれは、なんと綺麗な顔をした【ヒト】だろうか。 白いスカートを棚引かせ、白い肌に、細い両腕足を伸ばし、その包帯で隠した目を私に。 『・・・不思議か?別に気にすることじゃない。俺は少し耳がいいだけだ』 短い髪は漆黒。 私は耳を澄まして尋ねる。 「私の声。聞こえるの?」